BMWのキドニーグリルとは?歴史や楽しみ方を紹介

BMWのキドニーグリルとは?歴史や楽しみ方を紹介

皆様はBMWという自動車メーカーをご存じですか?
アウディやベンツなどと同じように、ドイツより日本へ輸入を行っている自動車メーカーです。あまり車の車種やメーカーの知識が無い方でも、名前だけは聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。そのように名前だけしか知らない方でも、一目見ただけでBMWだと気がつくことができる「キドニーグリル」という、BMWの顔と称される、フロントグリルのご紹介と、歴史を解説します。

そもそも『グリル』とは何か?

グリルという文字を、直訳すると『焼き網』という意味合いがあり、自動車の最全面の空気を一番当たる場所に設置されており、ボンネット内部に空気を取り入れて、ボンネット内エンジンルームのエンジンを冷やすという役割を持ちます。現在では水冷却方式(ラジエーター)エンジンを冷やす方法が一般的なため、ラジエーターを空気で冷やすラジエーターグリルとも称されることも多く、自動車の顔となる、スタイリング上重要な場所であり、自動車メーカーのエンブレムなどを設置されることが多くあります。

キドニーグリルとは

BMWの象徴とも言える、「キドニーグリル」は、時折豚の鼻と揶揄する方もいらっしゃいます。ですが、キドニーとは腎臓という意味で、グリルとは前記したように網という意味を持ちます。正面から見たときに左右に分かれた二つのグリルが腎臓に見えることから、このような名前が付けられました。

他の自動車のフロントグリルとは違い、最前面に二つのグリルが一目見ただけでBMWだと気がつくことができるでしょう。先ほど述べたように、揶揄する方もいらっしゃり、キドニーグリルに対しては賛否両論ですが、アウディやベンツと並び、ドイツ車のビッグ3という立ち位置であることから、世界的に人気を獲得しており、世界に認められているデザインと言えるでしょう。

キドニーグリルの歴史

キドニーグリルが初めて採用されたのは、1933年のジュネーブ・ショーで発表された「303」というBMWにとって初のオリジナル車種からでした。当時の他自動車のフロントグリルは四角形なものが一般的でしたが、BMWに特徴的なデザインを、と探していた開発チームがそこに目をつけ、独特な形状のグリルを開発し、取り付けたのです。

303はボンネット内のエンジンルームが大きく出来ており、高さもあったことから、縦型のデザインでしたが、その後80年に渡って、BMWの名前が冠される車の特徴となってきました。これまでに数度、キドニーグリルを採用していないモデルもありましたが、ほとんどの車にキドニーグリルが使われており、モデルチェンジをする度に、高さがなくなり、横に伸びた形状に変化してきました。

また、自動車の小型化などの観点から、フロント部のセンターに小さく取り着けられる事もありましたが、それでもBMWのシンボルとして圧倒的に存在感を示してきました。キドニーグリルはBMWブランドのイメージに大きく貢献し、キドニーグリルをBMWの代名詞だと確立させたと言っても過言ではないことでしょう。

機能面でもフロントグリルとしての大きな進化があり、2015年には『アクティブ・エア・ストリーム』という機能が搭載された、新型7シリーズが販売されました。通常は常時空気を取り入れエンジンを冷やす役割を持つグリルを、常時閉じさせ、エンジンの冷却が必要な時だけ自動で開くという仕組みで、自動車への空気抵抗を抑えたりしています。また、現在注目されているEV自動車にもBMWは積極的で、エンジンを搭載しないEV自動車にも、閉じた状態のキドニーグリルを搭載するなど、そのデザイン性に変更はありませんし、これからもキドニーグリルは進化し続ける存在です。

キドニーグリルの楽しみ方

現在、キドニーグリルを自分流にカスタマイズして、車種の顔をさらに自分らしくアピールする方が多くいらっしゃいます。今回は一例ですが、自身が多く見かけるキドニーグリルのカスタマイズを二つご紹介します。

LEDでライトアップ

カスタマイズされる方の中で、一番多いのがLEDテープを使用したライトアップでしょう。手軽にできることから自動車のドレスアップカーショーなどでは多く見受けられます。これはエンジンルーム内のヒューズボックスから電源を取り出し、キドニーグリルを外した後、内側にLEDテープを設置し、グリルを戻すという作業になります。

BMWの顔という部分をさらに目立たせるために最も効果的ですが、道路運送車両法の保安基準に補助灯の規制があるため、その規制に準拠しないと違反行為となってしまいます。保安基準にはLEDの色や設置位置など細かな規定があるため、必ず確認してからドレスアップをしないといけません。

キドニーグリルを塗装

こちらはショップなどで頼まれる方が多く、あまり自分で行う方は少ないと感じます。自身で塗装をし、色むらや液だれを起こして、せっかくの車の顔を潰すようなことにはしたくないからでしょう。そのため、このカスタマイズは少々敷居が高くなりますが、自身の車両のボディーカラーに合わせたり、ワンポイントでほかの色に変えたりと、さらに自身の個性を出せるカスタマイズと言えるでしょう。

まとめ

キドニーグリルの歴史やカスタマイズなどをご紹介させていただきましたが、キドニーグリルとは、BMWの顔という立ち位置で、その存在感から、世界にBMWというメーカーを大きく認知させた要因の一つと言えるでしょう。80年以上にも渡って、自社のデザインを貫いてきた自動車メーカーは他にありません。そこにはBMWのポリシーを強く感じられます。

これからの自動車産業はコンパクト化やEV自動車、燃費や走行性能へのこだわりと、目まぐるしい変化があることだと思いますが、このキドニーグリルも時代とともに進化し続け、伝統を大事にしながらさらなるBMWの顔として発展していくことを大きく期待したいところです。

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