M5 M6に搭載のS63エンジンのオイル消費の修理のご紹介です。
1000キロ以内でオイル補充のマークが出る場合かなりのオイル消費が考えられます。
オイル消費はオイル下がり、オイル上がり、ブローバイホースの不良、タービンなどが考えられますので、症状とカメラ、シリンダー内の気密性などをトータルで見て原因を探っていきます。
タービン排気側の状態
ブローバイ通路内
エキゾーストバルブ付近
ブローバイですがほとんどの場合はエンジンがくたびれてきている時も大量に出ますのでブローバイホース内がオイリー=ブローバイホース内のフラップの不良。とは行きません。
エンジンの排気バルブ付近にオイルが溜まっている場合バルブステムシールの可能性を疑います。
S63エンジンはタービンが左右バンクの間にございますので熱がこもりやすいです。ただでさえ排気バルブはインテークと比べて可動域(リフト量)が大きいのに熱の影響も受けますのでオイル交換のスパンが長いと負担が大きいように思います。
この様にエンジン内部の状態を把握したうえで作業を進めて行きます。
清掃途中
この様なカーボンの塊が大量に
鏡面に致します
エンジン屋さんのBMWですがさすがにシリンダーヘッドは機械加工エンジンなので細かいところの仕上がりには限界がある為、作業のタイミングで細かく仕上げます。
この辺りで各パーツの単体チェックも忘れずに行います。
ステムシールを交換後組付けです
8気筒なので32個あります
腰下もリフレッシュです
シビアなエンジンですので調整には一番気を遣います。きっちり合うと独特な感触があり何とも言えない達成感があります。
エンジン調整
こちらもバランスよく組み上げます
全て組付け後最終チェックです。
エンジン交換を進められるケースも多いと思いますがリビルトショートエンジンだけでもかなりの高額部品になります。
あまり替える必要のないものまでは替えたくありませんよね。。
燃焼室内にかなりのカーボンが溜まっているため修理後は体感できるレベルでよくなります。
もちろんオイルも減らなくなります☆
M5 M6はすごくいい車ですのでエンジンもリフレッシュして長く乗っていただけたらと思っています。