F55 ミニ クーパーSにお乗りのお客様より、エンジンチェックランプが点灯したとの事で修理をご依頼いただきました。
今回の故障原因は“熱管理モジュール”と言うサーモスタットの代わりのような部品です。
B48エンジンの後期モデルから搭載されるようになりましたが、トラブルが多いようですが僕は好きな部品です。
昨今のヨーロッパの排ガス規制はエンジンが冷えている時の排気ガスもチェックされますから、
“熱しやすく、冷めにくい”エンジンが求められます。
そんな一途なエンジンを実現するための部品ですが、シリンダーヘッドとブロック、すなわちエンジンの上半分と下半分の温度を分けてコントロールしてくれていたりと芸が細かいです。
シリンダーの温度って、顕著にエンジンの出力に直結しますから、この辺りの熱コントロールに手を尽くしているBMWはさすがだなーと感心してしまいます。
なんと珍しいマニュアル車。
B48エンジン。
走行距離は約18000キロ。
その魅惑の部品はインテークマニホールドの下にございます。
新旧熱管理モジュール。
いかにも複雑そうなルックスではございますが、これがほんと見えないところで良いお仕事をしているんです(*’ω’*)
あとは逆の手順で組付けて完成です。
過去のブログにも何度か書いたことがありますが、BMWはドライバーの乗り方によって冷却水の温度を変えています。
速く走りたい時は冷却水の温度を下げ、燃費運転したい時は冷却水の温度を上げ、その中間はコンフォートモードに。
燃費モードにしたときにシリンダーを温めるとノッキングが出やすくなりますので、シリンダーヘッドの温度を下げてノッキングを抑えてくれています。
逆に早く走りたい時はシリンダーブロックもヘッドも温度を下げる動きをします。
昔?今も?ローテンプサーモスタットと言うのが流行りましたが、当時僕はオーバーヒートしにくくする。くらいの効能しか思ってていなかったのですが、実はうまく活用するとエンジン出力面で大きなアドバンテージがあるんですね。
以前この話をE36ISでサーキットを走っている方にお話ししたところ、
ローテンプと標準サーモで1秒半もタイム差が出たと仰っておりました。(1週1分20秒ほどのコースで)
何度も付けたり外したりと細かくデータを取られてていたので間違いないと思います。
それだけ冷却水の温度は重要という事ですね(*’ω’*)
もちろんピストンクリアランスなどの問題もあるので、下げればいいってことでは無いですが。
話がどんどんディープな方向になっていきそうですので、本日はこの辺りで☆
この度はご依頼をありがとうございました!
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