G15 M850iのN63B44Dエンジンのシリンダーヘッドのリフレッシュをご依頼いただきました。
エンジンチェックランプが点灯し、インテークポートのカーボン詰まりとの事です。
この際、腰下のリフレッシュも実施したいところですが、今回はシリンダーヘッド側のみの処置となりました。
念のため事前に圧縮もチェックしましたが問題無し。オイルの状態も良好です。
N63、S63エンジンはインテークポートのカーボン堆積によるトラブルがあり、これが原因でお乗り換えになっているケースも多いようです。
良いエンジンなのに勿体ないですね(..)
費用と時間は掛かりますが、リフレッシュできます。
今回スケジュールがかなりタイトでして、、写真少なめです。
第3世代N63エンジン。中身はかなりS63エンジンの様になってます。
エンジンの脱着。
バルブタイミングチェックの上、分解。
バンク2側も同じく。この辺りの部品構成は2世代目S63エンジンと同じでびっくり。
インテークポートはカーボンの堆積がございました。サージタンク一体形状のポートなので特徴的です。
燃焼室側。気密、チェックバルブなども併せてチェック。
ピストンヘッド。
ブロック側は触りませんが、念のためチェック。
シリンダーヘッドを分解していきます。
ヘッド単体。この世代になってかなりコンパクトになりました。
ステムシールの交換。バルブガイドのチェックも行いましたが許容範囲内の為このまま行くことに。ヘッドはイズミさんのところで面研までして頂いたのでピカピカです。
ポートも綺麗に。
新しい冷却ラインも新設。通路も笛を吹くイメージで綺麗に。
ピストンもピカピカに。
あ、この部分、よくオイル漏れします。
シリンダーヘッド交換時にしか交換できないので交換します。
オイルパンガスケットも。
シリンダーヘッド組付け。バンク2側。バンク間のヒートエクスチェンジャーもこの世代の特徴です。
バンク1側を組むときに新品のヘッドボルトが曲がっていることに気付きました。
3本も曲がっていたのでどこかで曲がったんでしょうか(*_*; パック物ですので全て交換です。
バノスのセンターボルトもこの世代から一体物になりました。
バルタイ調整。
バンク2側も。
エンジン本体は完成。
補器類の組付けに移ります。
インジェクターは細い噴射量モニターセンサー付きに変更されてます。シール関係の交換は専用のSSTが必要です。
プラグ、コイルもB型エンジン用です。
バキュームポンプも無くなってます。
うーん、市販エンジンとは思えないカッコよさ。これを眺めながらコーヒーブレイクしたので続きを頑張ります。
組付け、ドッキング完了、夜中の2時半。僕は朝から広島行きなので、続きは髙崎メカにバトンタッチ。髙崎メカは早くに帰りましたよ。怒
N63、S63エンジン本体側で多いトラブルと言えば、このインテークポート関連のエラー以外に
・フロントカバーからのオイル漏れ
・オイル消費
・メタル流れ
でしょうか。
この3点は腰下まで分解しないといけないので、コスト面でも時間面でも掛かってしまいます。
せっかくするなら、周辺パーツも一緒に交換しておくと安心です。
あとオイル消費ですが、オイル下がりが原因であればヘッドのみで完結しますが、このエンジンの場合、そのほとんどがオイル上がりが原因ですので腰下までの処置が必須です。
なのでせめて時間面と言う部分だけでも解決しておきたいですね。僕の課題です。
熟成に熟成を重ねてきたN63エンジン、色んな進化が見れて面白かったです。
この度はご依頼ありがとうございました!
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